販売図面って何?分譲マンションの購入前にチェックしよう!
中古マンションなど、不動産購入を検討するうえで、販売図面を確認する方がほとんどです。とはいえ、販売図面の見方が分からず、どうすればよいのか悩んでしまう方も少なくないでしょう。そこで、本記事では「販売図面って何?」をテーマに販売図面の概要や分譲マンションを購入する前に押さえておきたいポイントを紹介します。
販売図面って何?
販売図面とは、文字通り、不動産を販売するときに用いる図面のことで、主に不動産業者が作成しています。不動産業者は、販売図面に該当物件の価格や広さ、構造や住所の一部などを明記することに加え、セールスポイントや物件の写真などを一つの資料にまとめています。
通常、販売図面は誰でも見られるので、購入希望者はもちろん、競合他社が見ている可能性もあるでしょう。というのも、わざわざ物件がある現地に行かなくても販売図面を見れば、おおよその情報を得られるのです。
ただ、図面に見慣れていない方からすると、イメージしづらく、どういった物件なのか想像できない方も少なくないでしょう。実際、販売図面の中には住所や構造、広さなどが明記されているものの、間取り図面には特殊な記号やアルファベットが使われていることがあり、どういった意味なのかを理解していなければ、情報を完全に得ることが難しいのです。
販売図面から読み取れる情報とは
販売図面にはさまざまな情報が書かれているので、しっかりと読み方を理解していれば、ほとんどすべての情報を読み取れるでしょう。
たとえば、交通情報として、物件の最寄り駅が書かれていることがあります。不動産広告では、距離や徒歩でどれくらいかかるのかを明記する際、80m/1分といったルールをもとに書かなければならないと決まっています。つまり、●●駅徒歩7分と書いている場合は、物件から駅までの距離が約560mということになるのです。
そのほか、物件の面積が明記されているので、ある程度どれくらいの広さなのか想像がつくでしょう。ただし、面積については壁芯方法といった計測方法で算出されている場合と登記面積が記載されていることがあり、どちらの方法かによって読み取り方が変わってきます。いずれの表記であっても大きな面積差はないものの、登記面積の方が少し小さく書かれていることが一般的です。とはいえ、一般的な販売図面では登記面積ではなく、壁芯面積で記載されているので、そのことを留意しておいたほうがよいでしょう。
なお、税金の関係で50㎡以上の物件を探している場合において、販売図面に記載されている面積が51㎡だった場合、壁芯面積か登記面積かによって、実際の面積が変わってしまうことから、減税措置が受けられない可能性があるので、注意が必要です。
さらに、間取り図面の表記については、LDKなどが書かれていることがありますが、どういった意味なのかしっかりと理解しておく必要があります。たとえば、2LDKは2つの居室とLDKという意味ですが、LDKについては10畳以上あることが前提となっています。というのも、10畳未満のスペースについては、LDKを名乗ることができないのです。ただし、居室が1部屋しかない場合については、LDK部分の広さが8畳以上あれば1LDKというように表記できます。
次に構造表記についてですが、マンションではRC造やSRC造と書かれていることが一般的です。RC造とは鉄筋コンクリート造であり、小さめのマンションなどで用いられる構法です。一方、SRC造は鉄骨鉄筋コンクリート造のことで、10階以上のマンションなどで用いられることが多いでしょう。なお、高層マンションなどでは、SRC・RC造といった、SRC造がメインで、上階部分についてはRC造というハイブリッド型の構法もあります。
販売図面から分かる情報は意外と多い
販売図面では、さまざまな情報が分かりますが、意外と見落としがちなポイントもいくつかあります。たとえば、戸数表示には注意が必要でしょう。マンションでは、収容戸数で管理や修繕費を分担するので、戸数が多いほど分母が増えることから、修繕費等を抑えられます。しかし、戸数が少なければ、1世帯あたりの比重が重くなるので、修繕費が高くなってしまう可能性があります。
また、現状の修繕費は安くても、将来的に値上げされる可能性があるので、注意が必要です。とくに、20戸程度のマンションでは修繕費用が高くなる傾向があるので、物件維持費用が高額になるケースがあることに加え、金融機関より担保価値が低く評価されることがあります。
まとめ
中古マンションや新築マンションなどの不動産購入を検討するうえで、販売図面を見る機会があるでしょう。販売図面には住所や構造、広さやセールスポイントなどが書かれており、図面を見れば、おおよその物件情報を知ることが可能です。ただ、適切な読み方を理解していなければ、充分に情報を得ることは難しいでしょう。とはいえ、販売図面にはさまざまな情報が書かれているので、不動産購入時はしっかりと目を通して検討することをおすすめします。